東燃ゼネラル児童文化賞・音楽賞について

2016年東燃ゼネラル児童文化賞・音楽賞受賞記念公演を開催

東燃ゼネラル児童文化賞・東燃ゼネラル音楽賞は、わが国の児童文化・音楽文化の発展、向上に尽くして来られた方々をたたえ励ますもので、今年でそれぞれ51年目、46年目を迎えました。

東燃ゼネラル児童文化賞が2年連続、東燃ゼネラル音楽賞が初めて、公益社団法人企業メセナ協議会が認定する「This is MECENAT 2016(これぞメセナ)」に選定されました。
また、「メセナアワード2016」の優秀賞「子どもに夢を半世紀賞」を受賞しました。

MECENAT AWARDS 2016
メセナアワード贈呈式の写真

賞の概要

東燃ゼネラル児童文化賞(創設1966年)

日本の児童文化の発展・向上に大きく貢献した個人または団体に贈られる賞です。選考は毎年行われ、受賞者にはトロフィーと副賞賞金200万円が贈られます。童画家、教育者、写真家、児童文学作家、子供新聞の編集者、ミュージカル主宰者など、さまざまな分野で児童文化に貢献された方々の中から受賞者が選ばれています。

賞創設のきっかけは1963年に遡ります。この年、当時のモービル石油創業70周年記念行事として、赤い馬をテーマにした創作童話を一般公募したところ、3,461点もの応募がありました。川端康成、波多野勤子、壷井栄、坪田譲治、藤田圭雄、筒井敬介の六氏により審査が行われた結果、福永令三氏の「十二色のクレヨン」が特選に選ばれました。

特選を含めた入選作を収録した童話集『赤馬物語』を全国の小学校へ寄贈したところ、教育界や児童文学界より大きな反響をいただいたことから、対象分野を児童文化全般に広げ、1966年に当賞の前身であるモービル児童文化賞が創設され、今日に至ります。

東燃ゼネラル児童文化賞50周年記念ビデオ

1966年に創設された「東燃ゼネラル児童文化賞」50周年を記念して「記念イベント」を開催した模様をお伝えします。

東燃ゼネラル音楽賞(創設1971年)

日本の音楽文化の発展・向上に大きく貢献した個人または団体に贈られる賞で、邦楽部門および洋楽部門(本賞・奨励賞)の二部門にて構成されています。選考は毎年行われ、受賞者にはトロフィーと副賞賞金200万円が贈られます。

邦楽部門では、雅楽、能、狂言、琵琶楽、尺八楽、箏曲、多様な三味線音楽、囃子など日本の伝統音楽の分野における演奏家・団体、さらには作曲者、研究者、評論家など、幅広い分野の中から邦楽の発展に寄与された方々が受賞者として選ばれています。また、これまでに21名の受賞者が、受賞後に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。

洋楽部門においては、作曲、指揮、声楽、そしてピアノ、ヴァイオリン、チェロなどの洋楽器の演奏、音楽ジャーナリズムや研究・評論などの分野において、日本の洋楽の発展に貢献された方々が受賞者として選ばれています。さらに1989年より、優れた若手音楽家を励ますために、本賞に加えて奨励賞が設けられました。

邦楽部門と洋楽部門を併せ持ち、単年度内の功績ではなくそれまでの実績全体に視点をおいた選考がなされている点が、東燃ゼネラル音楽賞の特色です。

東燃ゼネラル児童文化賞・音楽賞シンボルマーク(制作・五味太郎氏)

2016年 東燃ゼネラル児童文化賞・音楽賞受賞者(敬称略)

第51回
東燃ゼネラル
児童文化賞

あまん きみこ児童文学作家

本名、阿萬紀美子。1931年旧満州に生まれる。大阪府立桜塚高校を卒業後、結婚。二児の母親となってから日本女子大学家政学部児童学科(通信)に入学。在学中に、與田凖一氏に出会う。坪田譲治氏主宰の童話雑誌『びわの実学校』に「熊紳士」を投稿し13号にとりあげていただく。その後『びわの実学校』に投稿した作品を纏めて「車のいろは空のいろ」を出版(ポプラ社)。それが思いがけなく日本児童文学者協会新人賞と野間児童文芸推薦作品賞を受賞。それから細い道を歩くように作品を書き続ける。『びわの実学校』同人。作品名は「こがねの舟」(ポプラ社)。「ちいちゃんのかげおくり」(あかね書房)。「ぽんぽん山の月」(文研出版)。「おっこちゃんとタンタンうさぎ」(福音館書店)。「だあれもいない?」(講談社)。「ゆうひのしずく」(小峰書店)。「なかないで、なかないで」(ひさかたチャイルド)。「鳥よめ」(ポプラ社)等。

1968年、デビュー作『車のいろは空のいろ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞して以来、『おっこちゃんとタンタンうさぎ』(野間児童文芸賞)など、主に幼い子どもたちを読者対象にした幼年文学の分野で素晴しい作品を書き続けている。絵本でも、『おにたのぼうし』や、戦争の悲惨さを小さな子どもでも理解できる物語にまとめた『ちいちゃんのかげおくり』(小学館文学賞)など、広く読み継がれてきた。『こがねの舟』や『七つのぽけっと』のように自然や人間の不思議さ、生と死などイメージ豊かなファンタジー短編集の他、『あまんきみこ童話集』(全5巻)などで、多くの読者に共感されている、日本の現代児童文学を代表する一人である。

(児童文化賞 選考委員会)

第46回
東燃ゼネラル音楽賞
邦楽部門

稀音家 義丸きねや よしまる長唄演奏家・研究家

1930年4月、長唄研精会三味線方稀音家和喜次郎の次男として赤坂溜池で生まれる。5歳の時初舞台で「お月様」を唄う。1949年日吉小三八師(当時吉住)に入門。1952年吉住小輔許名。同年5月荻江露友師に入門、1954年荻江露苑許名。1955年2月NHK邦楽技能者育成会第一期として入学。10月「花葉会」を卒業生で結成。1958年花柳徳兵衛師と中国へ演奏訪問。1960年芳村伊久三郎師の推薦で長唄協会嘱託、協会の社団法人化に尽力。1961年二代目稀音家義丸襲名。1980年イスタンブール世界古典音楽祭にて演奏。1993年芸能学会理事となり今日に至る。杵屋栄二、日吉小三八、稀音家六多郎をはじめ、各派長老より多くの稀曲、伝承曲の教えを受け、長唄伝承曲の楽譜・録音を整理、その中の稀曲約250曲を製本、国立劇場資料課に寄託。

今や長唄界の生き字引的存在の稀音家義丸氏は、85歳を過ぎても素晴らしい声を聴かせ、現役長唄演奏家(唄方)の代表的な存在のひとりである。一方、長唄稀曲研究会や長唄正本研究会では研究者、長唄伝承曲研究会では後進の指導者としての顔ももち、稀曲の発掘や復曲を手がけるなど多面的な活動を展開している。古老からの教えや長唄についてのさまざまな知識をわかりやすくまとめた著作もあり、これらは長唄の研究者や演奏家たちにとって必携の書といえる。さらに、演奏と研究をつなぐレクチャーコンサートの出演も多く、若い演奏家や研究者たちに強い刺激を与えている。こうした長きに亘る幅広い活動は、長唄に限らず日本音楽分野での貢献であり、高く評価される。

(音楽賞邦楽部門 選考委員会)

第46回
東燃ゼネラル音楽賞
洋楽部門 本賞

井上 道義いのうえ みちよし指揮

1946年東京生まれ。桐朋学園大学卒業。1971年グィド・カンテルリ指揮者コンクール優勝。ニュージーランド国立交響楽団首席客演指揮者、新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督、京都市交響楽団音楽監督兼常任指揮者を歴任。1999年、マーラーの交響曲全曲演奏会を実施し「日本におけるマーラー演奏の最高水準」と高く評価された。2007年ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト、2013年サンクトペテルブルク交響楽団日本ツアーを企画立案、音楽・企画の両面で大きな成功を収めた。2010年「京都市文化功労者」、社団法人企業メセナ協議会「音もてなし賞」を受賞。2007年よりオーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督、ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドバイザーに就任。ラ・フォル・ジュルネ金沢を含む多くの実験的企画を敢行し続けている。2014年大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者に就任。就任披露演奏会直後、病に倒れるが同年10月に復帰を遂げる。自宅にアヒルを飼っていた。

若い時から国際的な活躍を展開し、その後国内外で重要ポストを歴任し、現在もオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督や大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者の重責を担う井上道義氏が、咽頭癌克服後に繰り広げている活躍ぶりは、以前にもまして目を見張るものがある。コンサートオペラなど様々な分野における斬新な企画や発想、得意の近現代の作品における鋭い切れ味と核心を突いた指揮はもとより、古典派からロマン派の作品においても、より懐の深い巨大な音楽を造形するようになった。その歯に衣着せぬ発言は時に物議を醸すが、それは彼の言葉が鋭く本質を突いているからであり、日本の音楽界は心して耳を傾けるべきであろう。今後の我が国の音楽界へのさらなる影響を期待して本賞を贈る。

(音楽賞洋楽部門 選考委員会)

第46回
東燃ゼネラル音楽賞
洋楽部門
奨励賞(第28回)

萩原 麻未はぎわら まみピアノ

2010年第65回ジュネーヴ国際音楽コンクール〈ピアノ部門〉において、日本人として初めて優勝。年によって1位を出さないこの伝統あるコンクールでの8年ぶりの優勝となった。広島県出身。第27回パルマドーロ国際コンクールにて史上最年少の13歳で第1位。広島音楽高等学校を卒業後、文化庁海外新進芸術家派遣員としてフランスに留学。パリ国立高等音楽院及び同音楽院修士課程、パリ地方音楽院室内楽科、モーツァルテウム音楽院を卒業。現在、パリを拠点に日本、フランス、スイス、ドイツ、イタリアなどでソリスト、室内楽奏者として演奏活動を行っている。これまでに、スイス・ロマンド管、南西ドイツ放送響など、国内外における主要オーケストラとも共演を重ねている。2014年にはトヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーン、ヴォーチェ弦楽四重奏団とも共演、好評を博した。

萩原麻未さんが、1位を出さないことで有名なジュネーヴ国際音楽コンクールのピアノ部門で日本人として初めて優勝したのが2010年。その後も着実に成長を続け、協奏曲にリサイタルにとソロ活動でこの上ない集中力と自在感に富む演奏を展開し、今や我が国の音楽シーンでも欠かせない演奏家の一人となっている。その彼女が、このところ室内楽演奏にも進境著しく、共演者と繰り広げる見事な掛け合いや絶妙の間合いから生み出される充実極まりない室内楽的愉悦は、これまでの日本人ピアニストには余り見られなかった感性に彩られた非常に魅力的なものである。ソロはもとより、室内楽分野におけるこの活躍が、我が国の音楽界にさらに大きな刺激と影響をもたらすことを期待して奨励賞を贈る。

(音楽賞洋楽部門 選考委員会)

選考委員(敬称略、順不同)

【児童文化賞】

  • 松居 直 児童文学者
  • 野上 暁 児童文化研究家
  • 仲居 宏二教育教養放送コンサルタント・聖心女子大学非常勤講師

【音楽賞 邦楽部門】

  • 徳丸 吉彦お茶の水女子大学名誉教授
    聖徳大学教授・京都市立大学客員教授
  • 塚原 康子東京藝術大学教授
  • 加納 マリ日本音楽研究

【音楽賞 洋楽部門】

  • 関根 礼子音楽評論家
  • 中村 孝義大阪音楽大学理事長・名誉教授
  • 諸石 幸生音楽評論家

2016年受賞者アルバム『豊かな感性を求めて』

東燃ゼネラル児童文化賞・音楽賞の歴代受賞者リスト(敬称略)